| 『文化祭』(リオネ×エリック)-2 |
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| 「電車苦手なんだろ」 「・・・誰から聞いたそれ?」 「前おまえが言ってた」 「言ったっけ?」 「痴漢にあったからとか、冗談まじりに」 「・・・」 「乗れよ」 「・・・」 バン、と勢い良く、閉まった戸に溜め息。 やはり、という気持ちと、ここまで来て、 という気持ちが、混じり合ったが一先ず、 エリックの用意を待つ。 再びの対面は15分後、 息は上がっていたが、いつも通りのエリックになっている。 「来るなら連絡しろって」 不機嫌に呟き、先を歩き出す。 黙ってついて行くと駐車場前。 「どのバイク」 「・・・」 指差すと例の、敵意ある笑み。 「生意気にもかっこいいね」 「生意気にもが余計だって」 「いつ買ったの?」 「中二、兄貴の貰っただけ」 「どこ止めてるの」 「学校」 「警察には?」 「まだ捕まったことないな」 「そうだね、ぱっと身三年だからねおまえ」 「乗れよ」 「・・・」 「当日まで面倒見る」 「・・・どうしてそこまでするわけ、行事でしょ」 「祭り好きなんだよ俺は」 「・・・そんな気はしてた」 「根が真面目なんだよ」 「それにしては色々悪事働いてない?」 「・・・」 「劇には出ないよ」 「・・・」 「その代わり良いこと教えてあげるよ、 ゴドーにも隠してること」 「・・・」 「俺ね、本気で痴漢被害受けてるんだ、電車で」 「・・・」 「情けなくてさ、被害届けも相談も、 してなくてね、突っ込まれたり、も、してるし、 結構堪えるんだよねあれ、力意外と強いし向こう手慣れてるみたいで、 しばらく戦ってたけど、やっぱ勝てなくてねー、 仕方ないから時間ずらしたり車両変えたりして・・・、 ・・・今はバス使ってる」 「相談・・・されたのか俺、今の」 「違うよ弱み握ったんだよ、 俺はこのこと、誰にも知られたくないわけ、 さてどうする?」 「卒業するまで」 「・・・ん?」 「乗れよ、毎朝来る」 「・・・」 意味は伝わっただろうが、エリックは黙ったまま、首を傾げ、 深く考え込んだかと思うと、顔を顰める。 「・・・同情してくれたわけ?」 「・・・」 そこで困ったよう、言葉を失ったリオネを見て、 はっとして表情を消し、エリックは耳まで赤くなった。 「せっかく情報あげたのに」 言ったことを後悔しているよう、呟いて下向く。 「あのな・・・!弱みにも程あんだろ?! 使えるかよ!!」 「・・・見かけによらずイイコ?」 「根が真面目なんだよ!」 「・・・」 「乗れ」 「・・・」 「・・・」 突っ立ったエリックは溜め息をつき、不機嫌そうに眉を寄せる。 「出るって」 「・・・?」 照れた小声で、しかしはっきりとした宣言。 「出るよ」 「・・・あ?」 「出るって言ってるの、弱味とか、遠まわしで悪かったね! つまり、今更折れるのが嫌だったからで・・・ こんな、送ってくれるっていうからバスにも電車にも、 乗らなくて良くて嬉しくて、 つい喋りたくなっちゃって、 あんな情けないこと!」 「情けなくねぇよ」 「・・・」 「男だって人間だろ、得体の知れない犯罪者に遭ったら、 ビビるって、俺だって、きっと為すがままに、 なっちまうと思う、だから、 戦った分、・・・おまえ凄ぇよ」 「っ」 車も人も無い裏道、山の道を鼻の頭を赤くしたまま後ろ、乗る前、 エリックは少し涙ぐんで、しかし泣かなかったところがまたエリックらしい。 見栄っ張りで気難しい友人の、 弱みを握ってしまった。
終
後日
カルロ:ドレス!ドレス!ドレス!ドレス! ダダ:呪文か!
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5月4日(日)16:06 | トラックバック(0) | コメント(0) | 短編 | 管理
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