学校偏
 
↓新旧 ↑ ※短編・メインは小説形式です。
 

AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


『愛犬の所在』(ゴドー×エリック)-2


「・・・7時だよ、やっぱり今日も来ないみたいだね」
「連絡は来てたんだけどな」
「え、じゃぁなんで待ってたわけ」
「一応っつーか、癖っていうか、意地か?」
「忠犬だね」
「まぁな」
「キケロに・・・取られちゃったみたいな気持ちなわけ」
「あ?」
「ルカ先輩って、おまえに取って主人みたいなものなんでしょ」
「・・・」
「俺から見たイメージだけど、なんていうか、
 キケロと俺が警察犬と警察官なら、
 ゴドーとルカ先輩は愛犬と主人っていうか、
 絶対命令に従う職業犬がキケロなら、
 ゴドーって愛玩犬って感じでさ、
 可愛がられてるような・・・それで、ゴドー自身も懐いてたような、
 そんな感じで、だから今のおまえはなんか、
 新しいペットに夢中になっちゃった御主人様に、
 「僕どうすればいいの」って状態のワンコに見える」
「・・・なんだそりゃ」 
「寂しそうってことだよ」
「だから構ってくれんのか」
「うわー、棘っぽ!」
夜の、校舎の暗さの中、エリックの笑みが、
どこからかわからぬ薄い光に照らされ、
唐突に、エリックがゴドーの孤独と不安を逸早く、
察してこうして一人のゴドーの下にやって来てくれたこと、
それがわかり顔面に熱が集まった。
「って、ちょっと何赤くなってんの?!」
「・・・おまえが俺の観察してたとか、
 不意打ちすぎる」
「・・・うーんと」
でかい手は二つあるとすぐに面を包み、
両手で顔を覆い突っ伏したゴドーに、
さらに追い討ちを掛けるようエリックは指摘した。
「耳だけ隠せてないんですけど」
どうやら耳まで赤くなっていたらしい、
久しぶりの優しさに反応が過剰になっている。
ここのところの精神の緊張も手伝い、
ありえなくときめいた心が痒い。
「ちくしょー、なんだこれ」
「・・・おまえ俺のこと大好きだね」
「うるせぇー」
「安心すれば、心配は本物だよ、
 元気ないおまえが気になって気になって、
 最近俺ちょっとぼんやり気味だった」
「もうやめろ!頼むから黙れ!」
「あはは」
照れることに必死で無害に思ったのか、
エリックはゴドーの頭を撫で、
普段決してこちらに触れてこないエリックの接触に、
盛り上がった気持ちを抑えねばならず、
ゴドーは内心でまた悲鳴を上げた。
「反則だろ」
呟くと、ぽんぽんと心地よく叩かれ、
ますますゴドーの顔には熱が集まった。




(2008 4/3)



5月3日(土)22:44 | トラックバック(0) | コメント(0) | 短編 | 管理

この記事へのコメント投稿はできない設定になっています
コメントはありません。


(1/1ページ)